仏縁

 本日、昨年末に息子さんを亡くされたご夫婦がお寺を訪ねて来られました。


 もっと優しくしてやればよかった…、もっと話を聞いてやればよかった…亡くなってから今日までずっと後悔、泣いてばかりです。 最愛の息子さんを突然に亡くされたご夫婦の悲しみは、いかばかりかと胸が痛みます。先の見えない長いトンネルに入ったようなお気持ちなのでしょう。不安になるのは当然です。

 しかし、このやりようのない深い悲しみが、お二人をお寺へと導かれたと考えられないでしょか。 仏様は、「病によりて道心は起こり候」とおっしゃっています。病気をきっかけに本当の信心が起きてくるという意味です。同じように、息子さんの死をきっかけに、会い難い仏縁に会わせていただくことができたと考えられないでしょうか。 仏様は、先の見えない長いトンネルから抜け出す方法をご教示です。

 これをご縁に正法に帰依され、とにもかくにも信心を実践され、ご夫婦が幸せになってしっかりと息子さんを供養されること。 このことを息子さんも望まれているのではないでしょうか。


 御夫婦が再びお寺の門をくぐられること,心からお待ちしています。