最 近，ふと感じたことがあります。

　そういえば，近頃，腹が立つと感じることが少なくなったかな…と。

　人は，

　自分の思い通りにならないことに対して，

　他人の理不尽な行動に対して，

　自分に対する非難に対して，

などなど，様々な理由から“腹が立つ”という感情を抱くことがあります。

そのとき，必ず“腹が立つ”相手（対象）がいます。つまり相手の行動なり，考え方なりに対して不満を抱き，腹が立つという感情が生まれます。

　しかし，相手に対して そういう行動をさせてしまった， そういう考えに至るように仕向けてしまった， そういう自分がいるのではないか，そう感じることが多くなってきたように思います。 そう思えば，腹も立たなくなります。 自分が変われば，相手も腹の立つ行動をしなくなるのではないでしょうか。

　仏教では，十界を説きます。

　十界とは，1地獄界，2餓鬼界，3畜生界，4修羅界，5人界，6天界，7声聞界，8縁覚界，9菩薩界，10仏界

　3の畜生界は、理性を欠き、本能的欲求によって動く境界のこと。

　4の修羅界は、他人の善根を憎み・怒る、自己中心的な境界のこと。

　こうした感情（境涯）は誰しもが常に心の中に持っていると思いますが，正法に縁することによって，この感情（境涯）を変えていくことが自然にできてくるのだと思います。