経済的不安を乗り越える

経済的に苦しいのは・・・

 私たちは、様々な苦悩をかかえていますが、実は、苦悩を抱えているときこそ、幸せへの道を得る絶好の機会であるといえます。それは、日蓮正宗の信仰の実践によって、その苦悩を克服し、苦悩の元である罪障を消滅していくことができるからです。

 現在、世界同時不況の影響で、大勢の人々が深刻な経済的不安をかかえています。数年前の新聞には、「35,000人に迫る人が自殺した。長引く経済環境の悪化が増加の一因と言われている」と掲載されていました。出口が見えない生活経済苦に行き詰まった結果、自殺を選んでしまうことは残念でなりません。 日蓮大聖人は「崇峻天皇御書」に、「蔵の財よりも身の財すぐれたり。身の財より心の財第一なり。この御文をご覧あらんよりは心の財をつませ給ふべし」(御書1173)と説かれています。蔵に蓄える財産よりも 「身の財」、即ち健康や身に具わった技量・才能のほうがすぐれ、その「身の財」よりも「心の財」、即ち人徳や人間性が第一に大切なのであるから「心の財」を積むようにしなさい、と仰せになられています。  多くの人は、金銭や物が豊かになれば貧しさによる苦悩から逃れられると考え、最も大切な「心の財」ということを知りません。大半は損得でしのぎを削り、かえって苦悩を増幅しているのです。

 大聖人は「御義口伝』に、「七宝とは聞・信・戒・定・進・捨・慙なり。(中略)今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱え奉るは有七宝の行者なり」(御書1752)と仰せになられています。
 「聞」とは素直な心で正法を聞くこと。「信」は正法を信ずること。「戒」は正法を持つことによって悪事を防ぐこと。「定」は、心が全てにわたって動じないこと。「進」は、努力精進すること。「捨」は、あらゆる執着心を捨てること。「慙」とは、自らを恥じる心をもつことです。
 これら7つの宝は、南無妙法蓮華経の五字七字のなかに含まれ、私たちが御本尊を受持し、仏道修行に精進していけば、「心の財」を積むことになるのです。

 そして、この「心の財」を積むことによって「身の財」、そして「蔵の財」も積まれていきます。 現在、経済的な苦悩を背負っていたとしても、このときこそ、一切の財の元である信心という「心の財」をしっかりと積めば、苦悩の元である罪障が消滅し、少欲知足の喜びを知ることもでき、健康的にも経済的にも恵まれた境界に変わっていくのです。

 このように、経済的な苦悩は、むしろ自他共に幸せを得るための大切な信心の入りロとなるのです。 日蓮大聖人の教え 仏法は、今から約3000年前、インドの釈尊によって説かれました。釈尊はあらゆる人々を救うために、50年間にわたって説法し、その最後の8年間で出世の本懐(目的)である法華経を説かれました。この法華経の予言どおり、釈尊が亡くなって2000年後の「末法」と呼ばれる時代に、民衆を救済する真実の仏様として出現されたのが、日蓮大聖人です。日蓮大聖人は、法華経の極理である御本尊(漫荼羅)を信仰の対象とし、その御本尊に向かって「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることにより、いかなる人も仏の境界に至ることができると説いています。御本尊に対して純真な信仰に励むとき、私たちは必ず一切の苦悩を根本的に解決し、成仏することができるのです。