法華経を信ずる人は

 法華経を信ずる人は冬のごとし,冬は必ず春となる。いまだ昔よりきか(聞)ずみ(見)ず,冬の秋とかへれる事を。いまだきか(聞)ず,法華経を信ずる人の凡夫となる事を。経文には「若有聞法者無一不成仏」(にゃくうもんぽうしゃむいちふじょうぶつ)ととかれて候。

(妙一尼御前御消息 832頁)

(通釈)

 法華経(御本尊)を信ずる人は冬のようなものである。冬は必ず春となる。いまだ昔から季節が冬から秋に戻ったなどということは,聞いたことも見たこともない。同じように,御本尊を信ずる人が成仏の境界を得ず,凡夫のままに終わったなどということも,いまだに聞いたことはない。法華経方便品第二には「若し法を聞くこと有らん者は一人として成仏しない者はない」と説かれている。

2019年10月13日