一切衆生救済の大法

 大聖人様は貞応元(1222)年2月16日,法華経において予証せられた通り,外用上行菩薩,内証久遠元初自受用身の御本仏として末法に御出現あそばされました。

 その御出現の目的は「御義口伝」に,「今日蓮が唱ふる処の南無妙法蓮華経は末法の一万年の衆生まで成仏せしむるなり(中略)妙法の大良薬を以て一切衆生の無明の大病を治せん事疑い無きなり」(御書1732頁)

 と仰せられているように,久遠元初の妙法蓮華経をもって,末法本未有善の衆生をして,ことごとく仏道に入らしめ,即身成仏せしめるためであります。

 すなわち,この御文中「今日蓮が唱ふる処の南無妙法蓮華経」とは,久遠の本法たる妙法五字であり,人即法・法即人の妙法蓮華経にして,人に約せば久遠元初自受用報身如来の再誕,末法御出現の御本仏宗祖日蓮大聖人であり,法に約せば久遠元初の妙法であります。この人法一箇の妙法こそが,末法の一切衆生救済の大法であります。

 しかるに,世間の多くの人たちは,謗法の害毒によって正しい法を見失い,苦しみから逃れることができず苦悩に喘いでいるのが現状であります。

 故に「秋元御書」には,

 「謗法の者其の国に住すれば其の一国皆無間大城になるなり」(同1450頁)

 と仰せられ,謗法の害毒によて人心が乱れ,それがそのまま国土の乱れを呼び,一国が無間大城に堕ちて苦しんでいるのであります。

 まさしく,世の中が乱れ,人々が不幸と混乱と苦悩に喘いている根本原因は,すべて邪義邪宗の謗法の害毒にあり,この謗法の対治なくして,人々の幸せも,世の中の平和も,国土の安穏も実現することはできないのであります。

 ここに今,私どもが謗法を破折し,折伏を行じていかなければならない大事な理由が存しているのであります。

(二月度広布唱題会・平成31年3月号53頁)

2019年12月15日